本棚

 寝室を自宅の安全場所にする、これについては”寝室における事前対策が重要”において記述しているが、就寝中のためにすぐに身動きが取れないことを考えると、非常に有効な対策だと思っている。では、他の部屋に置いてはどう考えるのが良いだろうか。

地震はいつ何時に発生するか分からない、そのことを考えると、どの部屋にいても安全を確保できるように安全地帯を設けておくことだ。
ダイニングであれば、大きなダイニングテーブルの下が先ずは安全地帯であろう。リビング(居間)であれば、背の高い棚なら最も離れた部屋のコーナー(柱部分)、子供部屋なら学習机の下、あるいは二段ベッドの1階部分など、各部屋を見渡して、大きな地震の発生時に逃げ込める安全地帯を決めておこう。

トイレや入浴中の場合、これは相当焦るはずだが、落ち着いての行動が大切になる。新耐震基準の家屋であれば、壁に囲まれたトイレは安全地帯である。しかし、頭上に水洗用のタンクがある場合には、その落下に対して注意が必要だ。危険を感じたら出よう。また、家屋の変形による閉じ込め防止のため、ドアはすぐに開けよう。
入浴中、気をつけるべき事は、鏡やガラスの飛散による負傷である。当然衣服を身につけていないので、場所によっては非常に危険だ。浴槽のふた、洗面器、マットなどで、首より上を先ず守ろう。揺れが収まったら、足下に注意して浴室から出る、そして衣服を着るようにしよう。滑って転倒する、ガラスを踏んで負傷するなどないようにしたい。浴室用のプラスチックブーツを近くに常備するのも安心できる。

自宅のどの部屋にいても、落ち着いて行動できるように、シミュレーションしておくことも有効である。また、停電の発生も十分考えられ、自宅内でも辺りが見えなくなるので、浴室含めた全ての部屋に懐中電灯を置いておきたい。