水

 大きな震災後、川や湖などの水源が近くに無い限り問題になるのが”水不足”だ。最近は都市部でも井戸が見直され非常時用として公園などに設置されているが、使用時には汚染(下水管からの漏洩などにより)がないか水質のチェックする必要があるだろう。非常用井戸は、飲み水には適していないので、主に洗浄などの用途に使うようにしたい。

被災中の手洗いは、上水道の断水により頻繁に行えない可能性がある。そうなると、見た目にはすぐに手洗いをしないことによる悪影響がないこと、大切な飲料水を手洗いに使うことに対する躊躇もあり、今は手が洗えなくても仕方がないと感じてしまうかも知れない。
しかし、感染者の手から手へ、あるいは手から物へ、手から口へ、物から口へと細菌、ウイルスを運び広がることがある。これは、避難所における炊き出しの時に大きなリスクを持っている。もちろん、家族間においても同じである。小さなこども達は、手洗いについてルーズになりやすいから、特に注意しなくてはいけない。

さて、常に手の衛生を保つ大切さは分かるが、被災中の水不足の中どうしたらよいのであろうか。泥やホコリなどによる手の汚れについては、非常用井戸からくみ上げた水で洗い流したい。その上、殺菌用アルコールジェルや除菌用ウエットティッシュなどで、雑菌を拭き取れば良いだろう。もし、洗浄用の水が確保できない場合には、ウエットティッシュを多めに使うことになる。また、手の汚れを最小限にするために、あらかじめ手袋をして作業することも有効である。
これらの準備は、震災後であると入手が困難になるので、防災対策のグッズとして用意しておくようにしたい。