食料備蓄

 保管スペースとの相談もあるが、家族1ヶ月分の備えがあると安心である。国では、震災の発生から最低3日間を自助、すなわち誰にも頼らず各家庭の力で過ごせるようにと要請している(義務として捉えている)。出来れば、1週間の自助が望まれている。
もちろん、災害弱者と云われる方々は、自助の制限もあるので、優先的に他からのサポートを受けるべきであるので、ここでは自身で出来る範囲として考えて欲しい。

2011年3月11日、東日本大震災の発生当日、都内のお店というお店から、生活物資がどんどんなくなった。酷い交通渋滞によって、コンビニ、スーパーなど各店への供給が追いつかなかったこともあるが、今後予想される品不足を見据えて、先行者がまとめ買いに走った。食料、飲み物、トイレットペーパー、乾電池などの近々に使う物はあっという間に売り切れた。この先行者に釣られて、他の人々が同じ行動に走る。首都圏全体に広がり、あっという間に店内の在庫がなくなってしまった。すぐに使わないものまで、買い占める。本当に必要な人が、買えないことになった。
予想通り、生産工場もプロセスの上流である原材料や部品の供給が止まってしまう、働く従業員が職場に来られなくなってしまう。また、生産プロセスだけでなく、それらの流通経路も寸断、あるいは滞りが生じて、店舗に並ばない事態が続くことになる。こうなると、商品が次に来るのは、しばらく先であろう。これは、震源から離れた首都圏での話しだ。

したがって、1ヶ月分の備蓄というのは決して多すぎではなく、最低ラインと思ってもよい。
では、なにを揃えるのか、これは生活パターンや家族構成の違いに大きく依存する。
乳児のいる家庭では、粉ミルク、離乳食、紙おむつ、おしり拭き、十分な着替えなどは、代替できる物が少ないので、常に揃える(1ヶ月分)ようにしたい。
停電が長引けば、乾電池で働きをするグッズが役に立つ、必然的に乾電池の備蓄が必要になる。最近の乾電池は保管期間の保証を7年、10年と長期になっているものが安価に売られているので、日常使いに併せて多めに備蓄しておくと助かる。

衛生を保つための商品、身体拭き、ドライシャンプー、歯のケア、除菌ジェル、ゴミ袋などが必要になるだろう。非常用トイレとしてのグッズも取り揃えておきたい。
食料、飲料水を1ヶ月分備蓄するのは、結構大変だ。なので、半月である2週間を目安にして長期備蓄できる物を選んでおこう。震災発生後は、冷蔵庫・冷凍庫内の食料から使うことにする。2~3日は何とかなるだろう。その後、備蓄した保存性の良いものを使っていく。これら、準備した食材がなくなる前に、避難所での食料提供が始まっていると思う。