高層マンション群

 都心のウォーターフロント、高層マンションは常に人気がある。通勤アクセス、充実した商業施設など、一つの街としての利便性や窓からの景観がその理由であろう。
しかしながら、震災発生時には建物内の移動手段であるエレベーターが使えなくなる、給水設備の影響により、困難が予想されるので、その対策は万全にしておきたい。

震災発生時、免震機能など特別な仕掛けが働かない限り、高層階における、長く大きな揺れは避けられない。長周期地震動、高層建築物は固有周期を持ちやすく、地震動の揺れに共振すると、高層階ほど振幅が増す現象だ。建物が倒れることがなくても、その内部は大きく揺らされ、立つのも困難であり、設置された家具類は左右にと大きく移動を始める。ネット動画で東日本大震災(3.11)時の首都圏高層階の様子を見ることが出来る。とても恐ろしい光景だ。したがって、地震発生時、自宅においての安全地帯を設けておくべきだ。なかなか、全ての家具を固定することは難しいし、また発生時に倒れないように人が押さえているのも危険だ。そういった意味で、家具が倒れてこない、また揺れが収まるまで留まれる安全地帯は、有効になってくると思う。

次の困難は、エレベーターの停止による孤立化だ。階下への避難は、階段を使って行われるだろう。しかし、再び部屋に戻るとすると階段を登ることになる。当然、飲料水や物資を受け取り後、人力で持ち上げることになる。したがって、非常時の備蓄は多めに考えておきたい。
高層マンションでは、途中階層に非常倉庫を設けて、高層階の住人が一番下まで降りなくても、ある程度の日数を賄える物資を提供するところもあるようである。この辺は、確認しておいてもいいだろう。