食料備蓄

 被災時における非常食の定番は、乾パンやビスケットなどの保存性に優れ、エネルギーとなり得るカロリーを摂取できるものが多い。また、避難所の炊き出しでは、おにぎりや菓子パンなどの炭水化物系(糖質となる)が配られる。調理や配膳のしやすさもあり、初期における被災食として理解できる。しかしながら、しばらく続く被災中の1日3食で考えると、カロリーは摂取できても、同じ食材を食べ続ければ、体調維持に必要な栄養のバランスが崩れてしまう。エネルギー源になる糖質の他に、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルも摂取しなければ、健康を保つことは出来ない。

血や肉などの体を作る栄養素のタンパク質(食肉、鶏卵や牛乳に多く含まれる)、エネルギー源および内臓や神経、ホルモンなど体調を整える役目を持つ脂質(油分)、体の機能と調子を正常に保つためのビタミン(野菜、肉、豆類など幅広い食材から)、そして体全体の調子を整えたり、骨や歯を丈夫にする役割のミネラル(カルシウム、鉄分、ナトリウムなど)の摂取を心がけて、被災中においても食事をすべきである。避難所においても、大量に調理することが出来るカレーライスや豚汁などは、栄養バランスを考えると定番メニューとして適している。

そして、家庭や職場においての食料備蓄においても、缶詰、レトルト食品、インスタント食品、乾燥野菜、サプリメントなど、人数に応じて工夫することが出来るであろう。
体調を崩すことなく、食べることでの健康維持を意識して欲しい。