窓ガラス

 続く余震により自宅に帰れない、半壊により仕方なく避難所暮らし、様々な理由により自宅を留守にしなければならない状況になる、これが震災発生後に多く見られる。そのような時を狙って、窃盗目的の悪人が被災地にやってくるのが現実だ。避難所における生活の中で、現状と将来の不安に加えて、留守宅の防犯のことまで心配しなければならないのは、本当に酷なことである。しかし、防犯対策もしておきたい。

戸締まり、貴重品の管理、定期的な警戒監視、不審者情報の共有が、可能な行動だ。
ドアや窓に鍵が掛かるのであれば、外出前に施錠しておこう。鍵を紛失してしまった、窓ガラスが割れている、そのような場合は、粘着力の強いガムテープでしっかり留めて稼働しないようにする。犯罪者は侵入に時間を掛けることを嫌うので、なるべく侵入までに手間を掛けさせる作戦だ。

常に携帯できる貴重品であれば持ち出せるが、あまり大金や宝飾品を持ち歩くのも別な意味で危険である。何カ所に分けて、自宅内のあるところに隠すのも検討できる。
近隣周辺のご近所の方々も同じ不安を抱えていると思う。自警団的に、定期的な見回り(警戒監視)を提案するのもありだ。不審者と鉢合わせすることのあり得るので、必ず複数人で見回りを行って欲しい。そして、不審者情報の共有も、地域住人被災者達の目を光らせる意味において有効だ。
震災後、地域外から多くの人達が立ち入りやすい状況になる。ボランティアなのか、役所なのか、工事業者なのか、物資搬入者なのか、見慣れない顔であるため、より疑心暗鬼になるだろう。遠慮なく声を掛けて、相手の目を見て、お互いに信頼関係を得ることも、この時は必要なのだと感じる。