防災パーク

 ”安全神話”、これは何があっても絶対に安全だと信じられていたものが、実はそうではなくただの思い込みだったと分かる、そのようなことを後から振り返った皮肉を込めた言葉だ。
「立派な堤防があるから大丈夫」「もう、大きな余震はこないな。」「かつて、そんなことはなかった。」、自己安堵のためにそう思いたいところであるが、これで致命的な判断ミスをおかしている現実もある。絶対の安全が存在しないことを意識しておこう。

同様に、完璧な防災対策などない。想定や準備通りであることの方が少なく、常に問題が発生して、それに対処することになる。もちろん、事前に災害非常用の準備や備蓄をしておけば、大いに助かる場合が多いだろう。しかし、状況に合致しないこともあるので、そこは臨機応変に対応できるように心がけておこう。
常に危険の存在を考え、手遅れにならないように”今できる最善のこと”を考え、行動したいものだ。もしかしたら・・・、そんな想像力を働かせ、状況によってすべきことを考えよう。臨機応変な対応は、震災時には不可欠な要素である。

さて、身を守るための瞬時の判断において、知識と経験値が重要になってくる。知識については、意識や学習によって身につけることが可能である。
一方、経験値を上げることが、いざという時に力を発揮するのであるが、なかなか経験すると云うことは難しい。しかし、経験値を上げる方法は工夫次第である。

防災訓練への参加は、自身の体を動かしてのシミュレーションになるため、理解度も上がるし、改善へのフィードバックも行える。例えば、起震車で震度7を体感すると、ほとんど移動することの難しさを実感するだろう。避難所への道筋も、どのくらいの時間を要するのか、また迂回路がどの辺にあるのか、そんなことを考えさせてくれる。町内会、自治体、消防署など、年に数回実施される、また地域の防災フェアなどに出掛けるのも、防災対策の情報収集に活用できる。

また、イメージトレーニングも経験値を上げる助けになるだろう。つまり、こういう時にはこうする方がいいだろう、この場合にはこうしよう、と脳内でシミュレーションをすることだ。イメージトレーニングは、スポーツの世界においても多く取り入れられ、この能力が高い選手は本番の競技においても強いとされる。防災においてもイメージトレーニングを取り入れることは効果が大きいものと思う。
このように、日々の防災への意識付けが、その時すべきことを瞬時に導いてくれるものと思う。