安否情報発信

 地震発生後、直近の危機から逃げることを終えた段階(津波の恐れがあれば高台へ)、つまり安全な場所までたどり着いたことを確認したら、家族への連絡を行っておきたい。
電話による音声通話は、回線の過負荷による輻輳(ふくそう)を防止するため、携帯電話を含めて通信事業者が制限を掛けることになるので、時間経過と共に通話は難しくなるだろう。

そのための連絡手段が準備されている。
音声電話によって連絡を取る必要がある場合には、制限を掛けていない公衆電話を使用することだ。もちろん、コインの準備をしておかないと使うことができない。
もう一つ、音声による安否メッセージの登録式の”災害用伝言ダイヤル171”がある。
震度6弱以上の揺れを受けた被災地の固定電話(一般加入電話、公衆電話など)がそのサービスの対象になる。被災地から171をダイヤルすると、録音・再生方法のガイダンスが流れるのでそれに従って、自身の電話番号とメッセージ(1件30秒)を登録する。被災地の安否を知りたい遠方の家族や知人は、171にダイヤルし、続けて被災地の電話番号を入力することで録音された音声メッセージを聴くことができる。もちろん、返事としてメッセージを録音登録することも可能である。
携帯電話でもこのサービスを使用できる場合もあるので、事前に契約する通信事業者のサイトでチェックすることをお勧めする。
災害用伝言板Web171は、災害用伝言ダイヤルに連携したテキストメッセージの安否情報サイトである。使用にはインターネットに接続された環境が必要になる。

携帯電話を始め、スマートフォンなどのモバイル端末の利用者は多いと思う。実際にこれらを使用した相互連絡や情報収集が、震災時には要求、期待されるだろう。
しかしながら、前述の通り音声通話には回線への負担を防ぐため、通信事業者によって強制的に制限を掛けられるので、使用することは困難である。
したがって、テキスト(文字)メッセージのメール送信など、パケット通信を利用することになる。混雑により何度か送信エラーとなる場合もあるので、なるべく伝えたい単文(例、こちら無事、○○に居る。)で先ずは安否を知らせておきたい。
また、通信事業者が行っている災害時の伝言サービスなどを利用したい。契約している携帯通信事業者のサイトより、災害時伝言サービスの概要や登録方法を事前に確認してみよう。簡単なチェック式の安否登録サービスだ。無事と分かるだけでも家族や知人は安心して次の行動に移れる。
Facebook、ツイッター、Lineなどのソーシャルネットワークサービスに加入しているのであれば、メッセージを残しておける。
また、自治体でも災害時伝言サービス(安否情報サイト)を準備しているところもある。区役所、市役所の防災サイトを覗いてみよう。

このように家族や知人の安否確認の方法は、いくつも準備されているので、使いやすいものを選んで、使い方を知っておこう。
そして、何よりも事前に家族間において、災害発生時の連絡手段、それぞれの行動予測や最終集合場所、連絡場所などを話し合っておくことが大切になる。

一点、モバイル端末には電源が必要になる。停電においても充電できるように、十分な予備バッテリを備えておくことも忘れずに。