自宅の階段

 緊急地震速報のアラームが鳴り響く、震度5弱以上の大きな揺れがくる恐れがある、そのための警報だ。これは初期微動のP波を各地のセンサが受信し、即時に震源方向とこれから到達する主振動(S波)の大きさを計算予測して発表している。
心拍数が上がるのに気づき、身構えると同時に突き上げるような衝撃を感じる。

迷うことなく、身の安全を確保できる場所を探し(目で見る)、そしてたどり着く。事前に決めてある場所があれば、探す時間を短縮できる。丈夫なダイニングテーブル、大きな柱の側面、室内階段の踊り場など、最短距離の安全地帯を決めてあれば慌てずにすむ。
もしキッチンに居るのであれば、最も危険な場所であるのですぐに飛び出せ。
トイレに居るのであれば、閉じ込め防止のためにドアを開け、上部からの落下物に気をつける。
兎に角、落下物から身を守る、家具などの転倒や水平移動による身体への衝撃を避ける、これが最も重要である。座布団、お盆、鞄、ジャケット(コート)、何でもいい、頭部を少しでも衝撃を受けるリスクから遠ざけるために使おう。目を開け、可能な限り、より安全な場所を探そう。約2分間、このことに徹して欲しい。おそらく、無我夢中の時間であるに違いない。
揺れが収まり、あたりに静寂が訪れる。つかの間の安堵であるが、自宅から火災の発生はないか、自宅内の他の家族は無事であるか確認したい。

時間を経て余震がくることも考えておこう。
家屋の倒壊により、圧死・窒息死が震災直後の死亡原因として多い。年数の経過した家屋(経年変化)、また古い建築設計基準による家屋が、まだまだ日本では多いと云われているため、損傷が激しい(半壊)、あるいは不安を感じるのであれば、余震が来る前に待避しておこう。もちろん、その前に火の用心、火災が起こらないように火元となりうるもの(ガスコンロ、家電製品など)の安全をチェックしたい。電気ヒーターなど、コンセントを抜いておくと安心だ。