オフィス外観

 外出中と云っても、それは様々である。時間、場所、周辺環境などによって、震災時のリスク要因も変わってくる。ビル群に囲まれたオフィス街を移動中、郊外の商業施設で買い物中、地下鉄に乗車中、海岸沿いの国道を運転中、神社仏閣を観光中、レストランで食事中、ホテルで就寝中、ありとあらゆる外出のケースが考えられる。

しかしながら、共通して云えることは”身の安全を確保することに集中”することだ。
緊急地震速報により、地震の数秒前から身構えられる人も居るであろう。突然、大きな揺れに驚き、とっさにしゃがみ込む人も居るだろう。約2分間、安全確保への集中だ。
目をしっかり開けて、周囲の音を聞くことにより、迫る危機から脱する判断のセンサとして機能させて欲しい。
手持ちの鞄(デイパック)、あるいは近くにある物(とりあえず衝撃を和らげられるようなもの)で頭部を守ろう。崩れやすい壁、建物からは離れよう。
落下物による頭部、身体への負傷、これには気をつけたい。商業ビルの建ち並ぶ場所においては、建物の壁面の崩れ、ガラスの破損、外看板の脱落によって、地上に落下することがある。上方には特に注意したい。
建物の中が安全か、それとも危険なのか、これも建物自体と自身の居る位置によって異なるので、その場の状況を素早く知ることがベストの判断につながる。やはり、揺れがある中での移動は難しいので、見渡す中で安全スペースを見つけることが大切だ。丈夫そうなテーブルの下、大きなソファの脇、建物の大きな柱付近と、見て安心できるところを目指すことになるのだと思う。常に周辺の出来事を感じながら、この時間を乗り切って欲しい。

揺れが収まり、一瞬静寂が訪れる。
しかし、余震が続くことが考えられる、そこに留まるべきか、あるいは他の安全な場所に移動するかを考えなければならない。約1分半後には、震源と震度について気象庁より発表される。スマートフォンなどモバイル端末を持っていれば、確認が出来るはずである。

もし、あなたのいる場所が沿岸に近いのであれば、津波のことを考えなければならない。
津波警報は、地震の3分以内に発表されるので、聞き逃すことがないようにしたい。
地元の人が、既に避難を開始しているのであれば、一緒に高台に向かって移動を始めるべきだ。避難率先者(いちはやく、避難行動をスタートしている人々)の行動も見落としてはいけない。より安全側の考えで行動を進め、思考が止まらないように気をつけたい。