救助笛

 自身の無事に安堵するだろう。さて、周りに救助が必要な人は居ないだろうか。
可能な限り、身体的に被害のなかった周囲の人々と協力して、助けを求める人を助け出したい。原則は、くれぐれも二次災害にならないように、複数で状況を監視しながら進めたい。

建物の倒壊や重量物が倒れることによる身体への圧迫は、呼吸困難をもたらし、また血流の妨げも引き起こす。その他にも閉所にいることや、置かれた状況により精神的にパニックになることも考えられる。救助を必要とする者が、安心し勇気づけられるように声を掛ながら活動を行いたい。人力で障害物を取り除くことができるようであればいいが、工具などが必要と判断すれば、誰かに探してきてもらう役割分担も必要である。
消防(救急)などへの引き継ぎの際には、救助要請者の時間経過による様子を知らせておくと参考になるだろう。数時間に渡る救助要請者の身体(四肢)へ圧迫があった場合、救助による急激な圧迫緩和からクラッシュシンドロームを引き起こす可能性があり、生命の危機を引き起こす。したがって、止血帯等を用いた高度な救助技術を要するため、勇気づけまでに留めておくべきである。

もし、あなたが救助を必要な立場になっていたら、①大きな声(またはセーフティ・ホイッスル、笛)で救助を必要としていることを知らせる。声出しにも限界があるので、音を出せるような棒などで叩いて気づいてもらう、②無理に動くと崩れる恐れの時は、救助を待つ、③助かることを信じる勇気を持つことだ。
諦めずに居ることをアピールして欲しい、きっと気づいてくれるはずだ。

救命救急の講習を各自治体や消防署などで、一般市民向けに開催している。基本的には、心肺蘇生術、AED操作、止血法、気道異物除去であるが、いざといときには命を助ける。
無駄にはならない技術であるため、興味のある方には受講をお勧めする。