オフィス外観

 職場と云っても様々であり、事務所、作業場、工場、現場など、職種や職業によって大きく変わってくる。事務所内でのデスクワークを考えても、居住する建物の耐震性なども違ってくるであろう。
いずれにしても、”身の安全を確保することに集中”することが、共通のテーマとなる。
今回は、都市のオフィス街の場合を考えて、シミュレーションしてみる。

緊急地震速報により、地震の数秒前から身構えられる人も居るであろう。突然、大きな揺れに驚き、とっさにしゃがみ込む人も居るだろう。約2分間、安全確保への集中だ。
目をしっかり開けて、周囲の音を聞くことにより、迫る危機から脱する判断のセンサとして機能させて欲しい。
落下物による頭部、身体への負傷、これには気をつけたい。
デスクワーク中であれば、事務机の下が手っ取り早い避難場所になるが、机横の引き出しや袖机の存在、または自身の体格によっては、潜り込むのが困難となる場合もある。究極的には、頭隠して尻隠さずもやむを得ない。椅子を防御用の楯にするのもありだ。
オフィス内で危険なものは、背の高い書棚である。転倒防止のビスによる固定がなされていれば多少安心であるが、実際には書棚内の重いファイルや書籍が扉を突き破って外に落下する可能性がある。事務机の下に潜り込めるか、あるいはその場から離れるべきかは、揺れに伴う状況をイメージしながら事前に考えておきたい。
椅子が防御の楯になる他、自身の通勤バッグ、膝掛け、ジャケットも有効に利用したい。

建物の中が安全か、それとも危険なのか、これも建物自体と自身の居る位置によって異なるので、その場の状況を素早く知ることがベストの判断につながる。やはり、揺れがある中での移動は難しいので、見渡す中で安全スペースを見つけることが大切だ。丈夫そうなテーブルの下、大きなソファの脇、建物の大きな柱付近と、見て安心できるところを目指すことになるのだと思う。常に周辺の出来事を感じながら、この時間を乗り切って欲しい。

揺れが収まり、一瞬静寂が訪れる。
しかし、余震が続くことが考えられる、そこに留まるべきか、あるいは他の安全な場所に移動するかを考えなければならない。約1分半後には、震源と震度について気象庁より発表される。スマートフォンなどモバイル端末を持っていれば、確認が出来るはずである。

もし、オフィスの場所が沿岸に近いのであれば、津波のことを考えなければならない。
津波警報は、地震の3分以内に発表されるので、聞き逃すことがないようにしたい。もちろん、長い揺れが続いた場合には津波の可能性が高くなるので、いち早くの避難開始が重要になる。