道路状況情報

 交通機関の復旧の目処は、被災の程度により変わってくるので、事前の予想が難しい。しかし、様々な点検事項やダイヤ調整を必要とする鉄道の復旧が、最も時間を要することは間違いないだろう。道路はどうだろう、しばらくの間は、緊急車両と支援物資を運搬する許可を受けた車両のみが、道路(車道)を使うはずであるから、自家用車や社用車での移動は出来ないと思った方がよい。

3.11の時を思いだそう。都心ではあらゆる自転車が売りに売れて完売状態となった。2~3万円で購入した自転車で勤め先から自宅まで帰るという考えだ。歩くより速いし体力の消耗も少ない、金額的にも許容範囲である、そんな思考が働いての行動であろう。
おそらく、同様の事態になると、徒歩の移動とともに自転車での移動を試みる者がいるだろう。
余談であるが、徒歩での帰宅を決めた人向けに、スニーカーなどのカジュアルシューズも売れた。ビジネスマンが長距離歩くために革靴から履き替えたためだ。もちろん、女性もハイヒールから履き替えたケースもあるだろう。
もし、あなたが普段スーツを着て仕事をしているのであれば(革靴を履いている)、ロッカーにウォーキングシューズを入れておこう。

さて、自宅までの移動について考えよう。
家族との安否確認がお互いに取れたのであれば、早く会って顔を見たい気持ちは分かるが、決して強行軍的な移動にトライすることは止めておこう。焦らずに計画的にすべきである。
そして、移動は日中の明るい時間、そして天候が安定していることが前提である。
一時滞在施設において、ニュース報道や自治体発表情報から、交通機関や道路状況などが少しずつ分かってくると思う。天気予報も重要な情報である。

1.自宅までの交通機関や道路状況を知る
  (地下鉄やバスなど、運行しているものはないか)
2.自宅までの地図(GPSを利用した地図も便利)
3.帰宅支援ステーションの場所
4.天気予報
5.飲料水(500ミリリットル)、簡易食料の準備
6.体のコンディション

帰宅支援ステーションを知っておこう。
コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ガソリンスタンドなど、災害時に徒歩帰宅者に対してサポートを行う事業者で、飲料水の提供を受けたり、トイレの使用などの簡易サポートが受けられる。入り口に”帰宅支援ステーション”を示すステッカーが貼ってある。

電柱が倒れかけている、電線が切れている、建物から壁材が剥がれている、ブロック塀が崩れている、色々な危険を示す光景に遭遇したら、無理をすることなく安全を選択しよう。
幹線道路沿いを歩いてきた。帰宅支援ステーションの存在や自身と同じように帰宅を試みる仲間の存在に勇気づけられた。天候も味方になり、体調も崩すことなく自宅近くの小学校まで帰ってきた。既に避難所が開設されていて、炊き出しの準備が行われていた。
自宅での家族全員集合まで間もなくだ。