自治体配布のマップ

 ”被災後は積極的に動くべきではない”、これを原則にして欲しい。
駅や道路などは身動きできないほどに人々が殺到しているだろう、ここに入ってしまうと出られなくなる。また、余震などにより群衆パニックが引き起こす不測の事態(例:転倒して将棋倒し)も考えられるので、注意すべきである。
交通機関もストップし、あなたに具体的な頼るところが近くになければ、先ずはそこの自治体が指定した一時滞在施設に行こう。そして、そこで焦らず情報を集めながら次の行動を考えよう。通常、自治体では帰宅困難者向けの受け入れを想定し準備している。したがって、遠慮することなく訪問して欲しい。
帰宅困難者とは、自宅までの距離が10㎞を越える者に対して定義されている。
11~20㎞の距離は、年齢や体力により自力で帰れることの出来る者も居るので、1㎞ごとに帰宅困難者10%加算、よって20㎞を越える者は100%帰宅困難者としている。
一時滞在施設は、一般住民の利用する避難所とは異なり、あくまでも帰宅困難者向けに開放している自治体運営の施設であり、原則72時間までとなる。場所は公表されているので、場所探しは容易である。
また、企業などが地元への社会貢献として開設する一時滞在施設もあるが、平時において非公表の場合もあるので、現場での情報収集が必要になる。
いずれにしても、帰宅困難者となったあなたは、遠慮することなく利用すべきである。

3.11(東日本大震災)の時、私は神奈川県の平塚にいたが、「一時滞在施設をご利用下さい。」と藤沢駅前のターミナルで地図を配布している自治体関係者の言葉に安堵したものだ。(当時、JRが全線運休を早々に決め、海岸線を走る小田急が津波警報のため運転見合わせ、かろうじてJR駅間の路線バスが動いていた。)

もし、一時滞在施設のお世話になることになり、あなたが比較的元気であれば、施設の手伝いを申し出るのも悪くないことだ。
夜が明けて、明るくなってから行動を開始するのが正しい。停電による暗闇の中の活動は危険だ。今は、心身を癒し、情報収集に徹することにしよう。