防災対策の知識と実際
災害には、地震、津波、火山噴火、風水害、土砂災害など、自然現象の結果として生じるものが多い。特に日本列島は、4つのプレートが重なり合っていること、2000以上の活断層があること、周辺を海に囲まれた島国であること、陸地の7割が山地であること、100以上の活火山を有すること、これだけでも災害の可能性が極めて高いことが分かる。
防災対策の大切さについては、子供の頃から避難訓練や防火訓練など、何度となく目にしてきたから、理解しているつもりになっている。しかし、本当に役立つ防災の備えをしているかと問われれば、不十分と感じる人々が多いのが現実だと思う。
阪神淡路大震災で直下型地震の尋常でない揺れ、発生する延焼火災に人々は驚いた。そして、東日本大震災による大津波の発生、多くの逃げおくれた犠牲者が出てしまい、想定外が起こる事実を人々は認識した。そして熊本地震、誰もが大地震の発生を予想もしていなかった。
私達は過去の災害経験から学ぶことが可能である。学んで、その対策を考えて準備することが出来る。
”防災対策の知識と実際”では、災害の影響をいかに減らすか(減災)を考えながら、特に震災(地震)発生時における対応と対策について概要を述べていきたいと思う。