首都圏をはじめ、人口増加傾向の都市部でのマンション人気は高い。交通機関へのアクセス、防犯安全性、部屋のデザイン性や眺望などの多くのメリットはあるだろう。
しかしながら、大きな震災に対しては、様々な困難も予想されるし、階層の高低によってもそれらは変わってくるので、防災対策も色々な視点で考える必要があるだろう。
もし、マンション内において管理組合、もしくは自治体の防災訓練があるのであれば、面倒でも一度は体験することをお勧めする。なぜならば、防災担当の人は地域の消防団に入っていたり、あるいは防災士の資格を持っていたりすることがあり、顔だけでも覚えておいて損はない。非常時のあなたの助けになるかも知れない。
阪神淡路大震災では、多くのビルが倒壊した。マンションも例外ではなく、中層階や1階駐車スペースが押しつぶされたりするケースもあった。また、2016年4月に発生した熊本地震においても、繰り返される震度6~7に耐えきれず、階下が押しつぶされたマンションもあり、20年を過ぎた現在にも残る震災における不安材料である。今ひとつ、自身が居住しているマンションの耐震性について事前に確認しておくと、その時の行動(居住するか、避難所等に向かうか)についての指針となるだろう。
外に出るのであれば、エレベーターは使わないこと。もし、使用中に遭遇したら、全ての階のボタンを押して一番近い階で降りること。運転が止まってしまったら、慌てずに非常電話でのコミュニケーションを準備する。閉じ込めにあったら、先ずは冷静になることが大切である。首都圏などでは、タワーマンションがブームであるが、高層階での被災はエレベーターが使えないことによる困難が待ち受けている。よって、長期戦にそなえた防災備蓄は欠かせないことになる。