LEDランタン

 もし、停電が続くのであれば、日没後の夜間における活動が制限される。もちろん、日当たりの悪い、あるいは窓のない部屋であれば、日中においても不自由するだろう。
したがって、停電時においても使用できる照明器具を準備しておきたい。乾電池によって点灯する懐中電灯であるが、最近はLED(発光ダイオード)を光源として用いたものが一般化しつつある。乾電池式のLED照明の特長としては、フィラメントを用いた豆電球に比べて明るく、消費電力も小さいため発光の継続時間が長いのが大きなメリットである。LED自身の耐久性や長寿命であることも優れた点と云えよう。更にLEDを用いた照明器具は、蛍光色(白色)と電球色(暖色系)の切り替え可能な商品もあり、用途によって使い分けられる。例えば、手仕事や読書などの目を使うときには、蛍光色の明るい光源の方がよいが、就寝前の落ち着いた雰囲気を求めるのであれば、電球色の光は癒しを与えてくれるはずだ。

さて、どのくらいの数を用意しておくのがよいのか。
少なくとも1部屋に1つのランタン型の照明が欲しい。最初は暗いと感じるかも知れないが、ひとたび目が慣れてくると不便を感じなくなるだろう。もし、手仕事をしたり本を読んだりするのであれば、追加にもう一つ手元に照明があると快適であろう。
そして、移動時の照明用(懐中電灯)として、一人1本の携帯をしておきたい。
忘れてはならないのが、十分な本数の乾電池である。今は、7年や10年保管保証のアルカリ乾電池が売られているので、非常用備蓄のアイテムとしても加えやすい。

乾電池がなくなってしまったら、そんな心配をする方には手動発電式のLED照明もある。
ハンドルを起こして回転させると、内部の発電装置がLEDを発光させるために必要な充電を始める。緊急時にはありがたい機能であるが、光量や発光持続時間(1分間の連続手回しで約15分間点灯)を考えたら乾電池式の方が使い勝手が良いと個人的には思う。もちろん、あればより安心には繋がる。

被災中においては、停電のため街灯も点灯せず夜間の外出にはリスクが伴う。道路の破損(穴が空いているかも知れない)や建物の破損物(瓦礫や破損したガラス)による怪我のみでなく、防犯上も決して安全とは云えない。したがって、懐中電灯があるとはいえ、気軽な夜間の外出は控えたいところだ。そう、明るくなってから行動する、これが被災中における鉄則である。