にぼし

 災害時、緊急時などの非常時に食べる食料、これが非常食と答えればよいだろうか。
実のところ、普段の私たちの生活において非常食になりうる食料がたくさん存在する。
今やトレッキングや登山に持って行く食料は、食材の保存技術が進歩したことと調理器具の小型軽量化などにより、バラエティに富んだものを選択できるようになった。かつての登山は、炊いたお米を乾燥させたもの(アルファ米化)、煮干しに味付け乾燥したものなど、自宅にある食材への工夫で非常時の食べ物(立ち止まったまま食べることのできる行動食)を準備したものだった。私が登山に熱中していた頃は、そこまで古くはないが、市販のインスタント食品(カップ麺、スープ、甘酒など)、チョコレート、栄養補助食品などをリュックに突っ込んでいた。このように非常食と謳っていない食品も意外と制限された場所や行動時に使えることを知ってもらいたい。

私の考える非常時に役に立つ食品とは、①保存性、保管性のよいもの、②美味しいもの、③健康によいもの、そして④適正な価格であることであると考えている。
ちょっとしたアイデアや工夫によって、非常時の食料として主役になりうる。そんなことを思いながら、日々スーパーマーケットや食料品店を覗いてみるもの面白いと思う。
非常食とは、アイデアと工夫満載の食べ物なのである。