報道記事(高齢者不安)

 大きな震災から逃れ、つかの間の安堵から現実に顔を向けると、今後の生活などについて不安を感じることであろう。身の回りの世話などの介護が必要な家族が居る場合、本人はもちろん、その介護者も相当な不安を持つことは想像できる。
かつては、災害弱者に対する細やかな救済も少なく、一般被災者と同じ対応により、かなり厳しい環境下に置かれていた。しかし、その辺の問題点も少しずつ目が向けられるようになり、十分ではないが、やっと改善が為されるようになってきたのは、災害弱者にとっては明るいことだ。

「みんな我慢しているのだから、贅沢はいえない。」、この考えを持ち続けてはいけない。素直に必要なものは要望して欲しい。我慢することが更に状況を悪くして、結果的に周囲に負担や心配を掛けることが多い。だから、今こそ要望して欲しい。
きっと親身になって手伝ってくれる人が近くに居るはずであるし、自治体などへ支援要請を伝達してくれるはずである。要望から対応が生まれるのが震災での常、そう思って欲しい。
なので、気落ちすることなく、前向きな気持ちを持ち、先ずはストレスを回避して欲しい。その場に居るもの同士、愚痴でもよい、互いに会話を交わすことも気晴らしになる。独り思い詰めることなく、知恵を持ち寄ってみよう。
自宅において被災期間を独りで、あるいは高齢者のみで過ごす場合でも、時々最寄りの避難所に出向き、挨拶でも近況でも要望でもいい、その避難所のリーダーや担当者と対話することをお勧めする。本当に助けが必要になったとき、心強い味方になってくれるに違いない。