地震速報(震度、震源)

 死なないために身を守る、大きな揺れも収まり、先ずはこれが達成したことで一瞬安堵することであろう。しかし、最近の大きな地震の後、比較的揺れの大きな余震が断続的に発生している。これはプレートのずれに影響を受けて生じるもの、あるいは大きな活断層のずれにより周辺地層の支えのバランスが崩れて生じるものなど、震源の発生メカニズムによるものである。要するに本震後の余震にも、しばらくは気をつけなくてはならない。

最も気をつけるべき事は、余震による家屋の倒壊に巻き込まれることだ。本震では半倒壊(もしくは一部倒壊)であったものが、その後の大きな余震で完全に倒壊することもある。置いてきた貴重品を取りに戻りたい、状況を確かめに行きたいという衝動に駆られるのは分かるが、ここは命を優先した慎重な行動にして欲しい。もし、建物内に家族や仲間が閉じ込められているのであれば、単独での救助でなく、複数のサポートが見守る中、すぐに脱出できるところまでに留めるべきだ。二次災害に巻き込まれたら、その救助も含めて2倍以上の労力が掛かってしまうからだ。

2016年4月、熊本市を中心に余震が続く(6月においても)、大きな断層破壊が生じると様々な歪みが発生し、周辺の断層・地層が動くことが理由である。マグニチュード(地震エネルギー量)が最大であった揺れを本震という。熊本地震の場合、最初の大きな揺れが前震、そして1日おいた深夜の大きな揺れが本震に切り替わった。誰もが、この2回目の大きな揺れが最大であることを予想しなかった。しかし、結果的には、この2回目の大きな揺れで被害が急激に増した。土砂崩れや水源地決壊による二次被害も起きている。

余震は、人々の心の中を恐怖で満たそうとする。また、大きな揺れが来るのではと不安になり、そして揺れに対して過度に敏感になり、また被害状況を見聞きすると恐ろしさが増し、屋内にいることが出来なくなる。私は3.11の発生時、神奈川県平塚市の5階にあるオフィスビルの会議室で打合せをしていた。突然の揺れに打合せはストップ、テレビのスイッチを入れて情報の確認を行った(震源地、警報有無の確認のため)。震源地より遠く離れた場所であるにも関わらず、何度も何度も繰り返される余震による大きな揺れに、身の回りに起こりうる状況に敏感になった。棚から落ちるファイルや置物、デスク上のディスプレイや書類が踊っているのが見える、建物の鉄筋がギシギシと音を出しているのが聞こえる(平塚市:最大震度5弱)。ここが安全であるのか、居続けてよいのか、そんな不安を持ったことを思い出す。そこで余震の怖さを初めて実感した。

やはり、余震への対応も自身の身を守ることを常に考えて欲しい。突然訪れた最初の大きな地震と異なり、それ以降の余震に対しては、身を守るための準備が出来るはずである。①落下物、転倒物から身を守れる場所を確保する。逃げ場を準備する。②ヘルメットを被る、あるい防御に役立つグッズをすぐ手の届く場所に準備する。③落下する恐れのある物品を床に下ろしておく(ただし、危険を冒すような無理をしない)、④非常時(その場に留まれないような場合)に備えて、必要な手回り品、避難場所、家族連絡等、すべきことの再確認をしておくなど出来るはずである。
また、今後の情報源となるラジオやネットの災害情報を活用することをお勧めする。正しい情報が入ることで、正しい対応の助けになるだろう。